Windowsサーバのシステムに携わっているとサーバのパフォーマンスログをグラフ化する事があると思います。一番手っ取り早い方法はExcelでグラフを作ることではないでしょうか。
特に性能分析などで時間を変えたり条件を変えたりしながら何度もグラフ化するとかなり手間のかかる作業となります。そこで今回はそんな手間を省くのに便利な方法をご紹介します。
R言語
R言語は主に統計解析に使われるスクリプト言語です。統計解析と聞くと小難しく聞こえますが、R言語はグラフ化が得意な言語でもあります。ここではR言語を使用してWindowsパフォーマンスログのグラフを作成する方法を紹介します。
下記に公式ページのリンクはこちらです。ここからインストーラをダウンロードしてインストールします。手順は難しくありませんが、参考に手順を載せておきます。
Windowsパフォーマンスログ作成はR言語のRscriptコマンドを使いますのでPATHに追加しておきましょう。
追加パッケージ
今回紹介する方法を使用するためには追加のパッケージが必要になるので、インストールしておきましょう。パッケージの名前は「dplyr」です。
インストール方法はRを起動して下記コマンドを実行し、表示される画面に従って進めます。
R Console
install.packages("dplyr")
画面はこのように表示されます。
パッケージのダウンロードサイトを選択します。ご自身のいらっしゃる場所からできるだけ近い場所を選択してください。
インストールが正常に行われるとこのような表示となります。
これで準備は終わりです。
Windowsパフォーマンスログ
Windowsパフォーマンスログを取得する際、よくある出力形式はCSV形式もしくはバイナリ形式(blg)です。R言語を使用する場合、事前にCSVファイル形式にしておかないとファイルが読めないため、バイナリ形式のパフォーマンスログを使用する場合はrelogコマンドでCSV形式に変換しておきます。
command
relog PerformanceLog.blg -f csv -o PerformanceLog.csv -b "yyyy/mm/dd hh:mm:ss" -e "YYYY/MM/DD HH:MM:SS"
relogコマンドに指定しているオプションは以下の通りです。
オプション | 説明 |
PerformanceLog.blg | バイナリ形式のパフォーマンスログ |
-f csv | ファイルの出力形式を指定します |
-o PerformanceLog.csv | 出力ファイル名を指定します |
-b "yyyy/mm/dd hh:mm:ss" | パフォーマンスの開始時刻を指定します |
-e "YYYY/MM/DD HH:MM:SS" | パフォーマンスの終了時刻を指定します |
Windowsパフォーマンスロググラフ作成スクリプト
さてここまでで準備が整いましたので、早速Windowsパフォーマンスログ作成スクリプトを見ていきましょう。
スクリプトはgithubの下記リポジトリのGenerateWindowsPerformanceGraphに置いてあります。スクリプトに関する説明はスクリプト内のコメントに書いてあります。
Windowsパフォーマンスロググラフ作成スクリプト: https://github.com/SirIsaacFactory/RTools
スクリプトはグラフ化したい項目によって幾つか用意しています。
スクリプト | 対象データ |
ProcessorTime.R | CPU使用率 Processor Time |
AvailableMegabytes.R | 残メモリ量 Memory Available MBytes |
AvgDiskQueueLength.R | ディスクキュー LogicalDisk Avg Disk Queue Length |
WorkingSet1.R | Working Set(プロセス毎) |
WorkingSet2.R | Working Set(積み上げグラフ) |
使用方法
ProcessorTime.Rを例に取り使用方法を説明いたします。詳しい使用方法はスクリプト本体を見て下さい。
Command
rscript ProcessorTime.R PerformanceLog.csv
上記コマンドを実行すると、PerformanceLog.csvと同じディレクトリにPerformanceLog_ProcessorTime.pdfファイルが作られます。
ご参考にpdfファイルのリンクも載せておきます。
PerformanceLog_ProcessorTime.pdf
最後に
Windowsパフォーマンスログのグラフ化についてここまでお読み頂きありがとうございます。Windowsパフォーマンスログのグラフ化は面倒くさい作業になる事が多いので今回紹介した方法が皆様の作業効率化に繋がれば幸いです。
参考
特に難しくはありませんがご参考までにR言語のインストール方法を紹介します。
R言語インストール
公式ページからご使用の環境に合わせてインストーラをダウンロードします。
インストーラがを起動し、画面の指示にしたがってインストールを進めます。